中津 こども園

子供の個性を伸ばす3つの環境quality

- 学び -

近年、子どもたちを取り巻く環境は大きく変化しています。共働き家庭や核家族化の増加などにより地域コミュニティの希薄化が進み、また、まちの都市化などを一因に子どもたちの遊び場の減少など、子どもたちにとって必要不可欠な環境が少なくなっています。
私達は子どもたちを取り巻く環境全てが、子どもたちにとって意味のあるものだと認識しており、子どもたち一人ひとりの発達にふさわしい環境構成①~③を整えていく事こそが私達の使命だと感じております。

①人的環境
人生において人との関わりは生涯切れることなく大切なものであり、これは保育者のみならず異年齢や友達同士も大切な人的環境です。子ども達が集団生活の中から生き抜く力を育くむ為に全ての人と関わることの大切さを重要と捉え、これを実践していきます。そして、子ども達一人ひとりの自立と自律を促し、子ども達を見守り、子どもが求めたときに十分に受容し共感出来るように一人ひとりと関わっています。

②空間的環境
毎日保育を行う保育室は子ども達にとって居心地の良い部屋でないといけません。日常の保育は主に遊び・食事・午睡という大きく3つに分けられます。この3つの区分を大事にし、きちんと確保することにより、子ども達の遊びに対する集中力や最後までやり遂げる達成感や満足感を得ることが出来ます。そして次の活動への意欲となるよう子ども達の意識を育んでいます。

③物的環境
子ども達の主体的な活動とは、子ども自ら環境に働きかけ、自ら活動することです。子どもがこんなことをしたいと思ったとき(意欲・動機)、それを実現しようとすることができる空間を用意し、一人ひとりの子どもの発達にあった、子どもの発達を促す遊具や教具をその空間に用意し、更に自分の意思で遊具・教具を選び、自ら手にとることができる環境を用意しています。

そして、この三つの環境構成の中で最も重要となってくるのが非認知能力です。非認知能力とは、その人の意欲や社会適応力などのいわゆるその人の持つ特性のことを指す言葉です。例えば「精神的健康」や「忍耐力」「やる気」「自信」「協調性」など目に見えない力を指します。
当園ではまず、この非認知能力を育成するために子どもたちとルールを決めています。例えば、園庭の遊具で遊ぶ時や、室内で遊ぶ時などです。しっかりとルールを決めることで周りの友達と仲良く協調しあって遊ぶことができます。しかし時には、無秩序な状態になってしまい自分の行動とは違う行動が加わり怪我を招いてしまいますが、そんな時はルールを基に子どもたちとしっかり話し合い、なぜ待たないといけないのか、なぜ反対から登ったらいけないかなど、子どもたち自身が理解し合える様にしています。

- 給食 -

給食の環境

人にとって食べることは、全ての活動の原動力であり、生きることの源です。これは、 心と体の発達に密接に関係しています。だからこそ乳幼児期から、発達段階に応じて豊 かな食の体験を積み重ねていくことにより、生涯にわたって健康でいきいきとした生活 を送る基礎となる「食を営む力」を培うことが大切です。

おなかがすくためのリズム

乳幼児期の成長に必要な栄養をしっかりとるためには、食事の時間にちゃんとお腹がすいていることが大切になりますし、おいしく食べるためにも空腹はとても大切です。保育園 では午前中に外あそびなどでしっかりと体をつかってあそび、「お腹が減ったね」「今日の給食は○○だね」などと話をしながら、日々の関わりを通じて、給食の時間にはしっかりとお腹がすくリズムの形成へと取り組んでいます。

楽しい食事の思い出は、メニューや味とともに、一緒に食べた人も大きく心に残っています。仲のよい友達や先生と一緒に楽しく食べる習慣は、今後の食生活を営んでいく上でとても重要なものになります。

- 部屋 -

0・1歳児クラス

一人ひとりの生活環境を最も大切にしています。
子どもたちが家庭からの自然の流れの中で機嫌よく一日が過ごすことが情緒の安定に繋がります。まずは子どもとの良い信頼関係を作るため保育者を担当制にすることで、子どもとの関係性と保護者との関係性がより深く築けると考えています。また、生理的欲求(睡眠・食事・排泄)を満たしてあげることにより、遊びに意欲的になります。この時期の子どもにとって大切なことは、少しずつ自律をしていくことと考えています。保育者はその子どもたちの意欲を大切にし、十分に遊びきれる環境を作り、子ども一人ひとりが充実感を感じられるよう環境構成を行っております。

また、異年齢での保育を行うことにより、この時期からでもお兄ちゃん、お姉ちゃんの自覚が少しずつ芽生えてきます。1歳児の子どもが0歳児の子どもを可愛がる姿や、0歳児の子どもの月齢が上がるにつれ、1歳児の子どもたちと一緒に混ざって遊ぶという姿が見られます。

ひよこ りす

2歳児クラス

生活の面では、自我の芽生えが出てきて「自分で自分で」と一人でできるようになったことに喜びを感じる時期です。子どもたち一人ひとりの発達を把握し、各家庭と連携を取りながらその子どもにあった声かけや介助を行うことを大切にしています。
また、お友達にも関心を持つようになります。グループで遊ぶことに喜びや達成感も感じられるようになる中、自立と自律が形成されることで簡単なルールなどを知り、お互いにさらに深い充実感を味わいながら遊にこむことができます。そして、子どもたち同士の遊びの中で道徳心などを育んでいくことを大切にしています。

りす

3歳児クラス

着脱や食事などの生活する力も自立します。急激に語彙(ごい)も増え会話も豊かになり運動能力もしっかり発達していきます。自己を持ち、大人に反抗したり、友だちとけんかをしたりとぶつかり合う時期です。話しあって相手の意見も聞く中で、自分と同じように自己主張する相手がいることを認識し、「譲る」「我慢する」「許す」「感謝する」など集団生活に必要なことを学び始めます。保育園では、子どもたちが五感(触覚、聴覚、臭覚、視覚、味覚)を使って遊び、友だちと「おもしろかった!またやりたい!」と思えるような生活を大事にしています。生活や遊びをとおして仲間と楽しさを共感する中で豊かになっていくのです。

ばんび

4歳児クラス

仲間を知って自分を知ります。自分中心の世界から少しずつ相手の気持ちを汲むことができるようになり、仲間意識が深まってきます。集団の中の自分を強く意識するようになります。
そして、話し言葉が豊かになります。前のことを思い出して話すことができるようになったり、友だちとやり取りを楽しんだり、イメージを伝え合うことができるようになったり、自分の気持ちをコントロールできるようになったりします。自分の中で物事を一旦受け止め、考え、自制心が芽生えてきます。お話を聞く力が育ち深まります。昔話や語りきかせなどに集中し楽しめるようになります。仲間との実体験を通して心が育つこの時期に、自然の中で、仲間の中で保育者も共に成長していくことを大切にしています。

きりん

5歳児クラス

何にでもチャレンジしてみるという心が育っていきます。大人から見ると危なそうな行動でも、子どもたちにとっては意味があり、仲間といろいろな体験をすることで、好奇心や探究心が育つと同時に自信にも繋がります。また、友だち関係が広がり、仲間と共有できる世界へと関心がいくようになります。集団でルールを作り、それを守ることに喜びを持つようになります。だからこそ保育者は子どもを信頼して、すぐには答えを出さずに見守っていくことを大切にしています。それによって子どもたちの考える力と自己肯定感を育くんでいます。
小さい時から自発的に身体が疲れるまで、力いっぱい何ごとにも挑戦できる子どもは、逆境に負けない生き抜く力が育ちます。そして、しっかりした身体と感性豊かな心、自ら考え創造する力を乳幼児期に育てることを大切にしています。

くま